離婚する場合の９％のケースが、調停離婚と言われています

　離婚に同意を得ることが出来ない・離婚の条件に折り合いがつかない、だからといって直ぐに離婚裁判に持ち込まれる・・・という訳ではなく、民法のルールに従い、まずは離婚調停を行う必要があります。
　離婚の協議がまとまらない、離婚に合意が得られない場合、親権者･監護者が決まらない場合、養育費、財産分与、慰謝料、面接交渉などの条件で同意できない場合に活用され、離婚全体の９％のケースが調停離婚と言われています。単に「別れる条件を決める」というだけでなく、夫婦仲を修復させるためにも用いられることもあり、「円満調停」と呼ばれるケースもあります。
　離婚調停は、家庭裁判所に離婚調停の申立てを行う必要があります。この際、印紙・切手代等で1700円ほどの費用がかかります。これは裁判ではありませんので、テレビの裁判所の様な場所で裁かれる訳ではなく、会議室の様な場所で調停員さんを相手に、夫婦が基本的に個別に話しをすることになります。調停委員さんは、年配の方が多く、男女各1名の計2名になっていて、夫婦相互の話を中立的な立場で聞いてくれます。弁護士さんを付ける必要はありません。この中で、調停委員さんたちのアドバイスに耳を傾けて、離婚について夫婦で相談をしてゆくのです。
　だだ、この調停はあくまで「アドバイス」という性質のものになり、離婚裁判のような強制力はありません。調停の中身に対し、夫婦の合意があって初めて離婚が成立します。この調停中の合意については、裁判所の判決と同じような効力が与えられることになっています。
　家庭裁判所には、「家事相談室」と呼ばれるセクションが設置されており、調停離婚についての相談を受けつけてくれています。離婚したいけど、弁護士費用がない・・・というケースでも、全く問題なく相談に応じてくれますので、気軽に相談をするべきでしょう。ただ、当然のことながら調停はあくまで中立の立場での判断をしてくれるだけである点については、当然留意しておく必要があります。